つるつるつうしん

おそらくデジタル小物のお話とかが中心。

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マンゴーの味

実家の食卓に謎の物体が置かれていた。500円硬貨くらいの大きさで、ドぎつい原色の、半分溶けかかった何か。

「それ、昔行った旅行のお土産のグミや。まだ食べられるで」

グミのなれの果てだった。絶対に、食べてはいけないものだと思う。昔ってどれくらい昔だよ。

「こんなんもあるで」

そう言って親父が出してきたのは、ドライフルーツのマンゴーだった。僕は受けとったパック裏返す。注意書きを読む。

「賞味期限が1年も前に切れてるじゃねーか」
「乾燥してるから大丈夫や。うん。昔食べたときと同じ味や。美味しい美味しい」

親父はマンゴーを1つ手にとってもぐもぐ食べ、パックを僕と母に押しつける。僕はパックを開けた。手に取った。食った。

なにこれ。苦いというか…渋いというか…ミョウガっぽいというか…。強いて言うなら、渋柿っぽい。少なくともマンゴーの味はしない。そもそも色がおかしい。黒ずんだ茶色だ。母も眉間にしわを寄せている。

「なにこれ。マンゴーの味なんかせーへんやん」
「買いたての時はもっと瑞々しい味やった気がするなぁ」
「そうやったかな。昔のコトやから覚えてへん」
「お前さっき『同じ味』て言うやたないか」

親父、アンタは記憶も味覚もおかしい。家族全員からボロクソに言われてしょげたのか、親父は「風呂を沸かしてくる」と言って居間から逃げていった。

「うわー」

風呂場の方から叫び声が聞こえたが、僕たち母子は何も聞こえなかったかのように振る舞うのだった。

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  1. 2011/01/30(日) 23:01:00|
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